厚生労働省が29日に開いた「地域医療構想に関する自治体等との意見交換会」で、医政局の鈴木健彦・地域医療計画課長は、高度急性期と急性期の民間病院の診療実績データなども収集し、公表する方針を示した。民間も含めて各病院が地域でどのような医療機能を担うべきかを議論する必要があるといった意見があったためで、鈴木課長は「どのように公表するか検討する」と説明。また、回復期や慢性期機能を担う医療機関のデータの分析も検討し、提供する考えを明らかにした。【松村秀士】
地域医療構想を実現させるため、厚労省は9月、がんや急性心筋梗塞などの地域シェアが小さい自治体立・公的424病院のリストを公表。今後、これらの病院の地域での役割を、「再編統合」を含めて見直すよう各都道府県に要請する。意見交換会は、424病院を公表した趣旨の説明などを行うために開いたもので、関東信越会場の省内に関係者約270人(傍聴者を除く)が集まった。
鈴木課長は意見交換会の冒頭、424病院の公表によって地域住民や対象病院の従事者らに不安や混乱を招いたとして、「深く反省している」と謝罪。その上で、データの公表は地域での議論を活性化させるのが目的で、再検証の対象病院に「再編統合」を強制するものではないと改めて強調した。また、地域医療構想の実現に向け、地域でそれぞれの実情に見合った取り組みを行うよう求めた。
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