経済産業省はこのほど、「2040年における未来の医療・福祉・介護分野の在り方とロードマップ策定等に関する調査報告書」を公表した※。国民の暮らしの中に、ICT、AI、ロボットなどが溶け込むことで、医療・福祉・介護サービスがどのように変わっていくのかを考察している。【大戸豊】
※平成30年度産業経済研究委託事業(経済産業政策・第四次産業革命関係調査事業費)の一環で、有限責任監査法人トーマツが調査を担当した。以下の図表は、全て「2040年における未来の医療・福祉・介護分野の在り方とロードマップ策定等に関する調査報告書」による。
報告書では、現状のまま40年を迎えた場合、▽労働力を医療・介護に優先的に投入しても人材不足が解消しない▽都市部では医療・介護需要が爆発する一方、地方では病院や介護事業所の撤退が生じる▽医療・介護の公的費用がGDP比で約3割増加し、財政・経済に影響する-可能性を指摘する。
一方で、ロボット、AIなどの基盤技術は、40年に向けて進化していくと考えられる。
ヘルスケア分野でも、血液成分等のデータをリアルタイムで収集・解析し、わずかな体調変化や異常の兆候を、最大24時間前に検知し、院内感染などの罹患リスクを事前にアラートする仕組みや、持続的な血糖測定を通じた行動変容を促す仕組みの構築が進んでいるという。
(残り1295字 / 全1856字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】