厚生労働省は増え続ける透析患者の生命予後を改善する第一選択である腎移植を推進するため、移植を含む腎代替療法の情報提供を、透析に入る前の糖尿病や慢性腎疾患の管理の段階でも新たに評価していく考えだ。9日の中央社会保険医療協議会・総会に提案し、了承された。移植の評価も拡充する。一方、人工腎臓の点数はバイオ後続品が出たことを踏まえて適正化し、新薬HIF-PHD阻害薬に対応した新たな評価体系を設定する。【ライター 設楽幸雄】
透析患者数は2017年で約33万人に達し、毎年5,000人ずつ増加している。また、新規の透析導入は年間約4万人に上る。透析歴の平均は7.34年だが、10年以上の患者も増加している。
末期腎不全患者に対する腎代替療法には、血液透析、腹膜透析、腎移植があるが、腎移植は透析と比べて生命予後がより改善されることから第一選択とされている。
しかし、腎移植の件数は、生体腎移植が年間1,500件程度、脳死や心停止下の献腎移植は200件程度にとどまる。
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