2020年度診療報酬改定に向けた議論が本格化してきました。その中で、何となく分かっているけど、もう少し突っ込んで知っておきたいキーワードを紹介していきます。【大戸豊】
■看護必要度は入院料と密接に連動する
1回目は「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)です。病院の看護職員や事務職ならばおなじみですし、病院経営層は常に気にする指標でしょう。
看護必要度の基準や要件の変更に、病院の収入は大きく影響を受けます。
今後焦点となるのは、各病院が表1右の最も点数の高い「急性期一般入院料1」を維持できるかどうかでしょう。
例えば入院料1だったのが、入院料4になった場合、1日の入院料は約2000円下がります。100床の病院なら1日20万円のダウン、月間だと600万円です。
いきなり収入が下がると経営的に非常に厳しいため、厚生労働省も今回、入院料2(1561点)と入院料3(1491点)という“バッファー”を設けました。入院料1の看護必要度の割合である30%以上に少し達しなくても収入は大きく落ちないし、看護職員の配置も、患者7人に看護職員1人の「7対1」から、患者10人に看護職員1人の「10対1」になるため、(人員的にも人件費的にも)余裕があることも示したかったのだと思います。
表1 急性期一般入院基本料(急性期一般入院料1-7)の内容
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