【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■機械的に抽出した病院リスト、病院がなくなるわけではない
9月26日に開催された「地域医療構想に関するワーキンググループ」で、公立・公的病院を中心とした424病院は、「再編統合」を含めて地域での役割を抜本的に見直す必要があるとの集計結果を、厚生労働省が示した(CBnewsではワーキンググループ開催日当日に記事掲載「医療機能の抜本的見直し、424病院が対象」)。
翌日の新聞やテレビのニュースなどで大々的に扱われたこともあり、これまでの経緯を知らない医療関係者や、424病院に選ばれた病院周辺の住民などは、驚きや不安を感じた人が少なくなかったようだ。やや過剰な反応も含め「注目を集める」ことには成功したといえるかもしれない。
しかし、注目を集めることがリスト化の目的だったわけではない。また、ただ興味本位でリストを眺めていても仕方ない。大事なのは各地域でこのリストを参考にしながら、今後の医療提供体制について議論を深めていくことである。そのためにも、「◯◯が選ばれている」「◯◯は選ばれなかった」といった見方ではなく、このリストの「内容」を適切に把握しておくことが重要になるだろう。
■424病院は明確な選定基準で抽出されている
424病院は、恣意的に選ばれたものではない。ワーキンググループでのこれまでの議論、および公表された資料=図=などを見れば、選定基準は明確だと分かる。
図 「代替可能性あり」と判断するための2つの条件(模式図)
第66回社会保障審議会医療部会(2019年4月24日開催)資料から抜粋
なお、資料自体は「暫定版」という位置付けであり、今後、精査を行った後に都道府県に「確定版」を通知する予定と記されている。誤りなどがある場合には、問い合わせすべきだろう。
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次回配信は10月16日5:00を予定しています
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