中央社会保険医療協議会(中医協)の議論も第2ラウンドを迎え、今後毎週のように重要なテーマが話し合われます。
今後各地域で病院の機能分化と病床再編成が進んでいきそうですが、中小病院が地域で生き残っていく上で何が必要なのか、医療・福祉分野の経営コンサルタントとして、多くの医療機関の改革を進めている株式会社メディサイト代表取締役、横浜市立大特任教授の松村眞吾氏に聞きました。
首都圏の超高齢化のインパクトは大きく、人材不足が予想される中、採用や教育を地域で行う取り組みも始まったといいます。
10月18日(金)17時から松村眞吾さんのセミナー「200床未満の病院が、次回改定を乗り越える方法」を開催します。奮ってご参加ください。
■ポストアキュートだけでは収益が期待できず
-2018年度診療報酬改定では、地域包括ケア病棟で200床未満の病院に対し、点数を引き上げるなどのメリットが示された。20年度改定でも、同じようなインセンティブはあるだろうか。
次回かどうかは分からないが、これまでの在宅の政策に沿った形で、入院経路の評価は変わる。地域包括ケア病棟入院料1と3の「自宅等から入棟した患者割合が1割以上」の要件は引き上げられると思う。対象も現時点の200床未満だけでなく、300床規模の市民病院クラスの地域包括ケア病棟も同じような方向が出るかもしれない。
急性期一般入院料1(7対1)と地域包括ケア病棟を組み合わせている病院は多いが、収益は必ずしもプラスになっていない。ポストアキュートだけでは収益はあまり期待できない状況だ。
中医協の議論の流れによっては、施行の時期などは変わるだろうが、サブアキュートを受け入れる地域包括ケア病棟を評価する方向性は変わらないだろう。病院は収益面でも対応を進める必要がある。
■首都圏でも超高齢化が進むインパクトは大きい
-なぜ、サブアキュートへの対応が必要なのか。
今後、サブアキュートの機能が全然足りなくなる。
自宅や介護施設で軽い肺炎になったようなとき、受け皿となるのは、7対1の急性期病棟ではなく、地域包括ケア病棟になると思う。
首都圏でも超高齢化が進んでいくインパクトは大きい。鳥取県の人口は56万人で、高齢化率が3割の場合、その人数は17万人だ。ところが375万人住む横浜市では、高齢化率が3割だと該当者は6.6倍の112万人に上る。地方とは影響が全く異なり、しかもサブアキュートに応えられる病床が足りない。
中小病院がサブアキュートを担わないと、地域の医療が持たないと国も分かっている。
■首都圏でも20年代に病床の余剰が顕在化
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