【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■病院全体の該当患者割合ではなく、中身を見始めた看護必要度
中央社会保険医療協議会の「入院医療等の調査・評価分科会」において、詳細なデータが示され始めた。「重症度、医療・看護必要度」の4つの該当要件ごとに深掘りされたデータなどは、非常に興味深い。4つの該当要件は、それぞれ次のように基準(1)-(4)と呼ばれるようになった。
基準(1):A2点かつB3点以上
基準(2):B14 またはB15 に該当しA1点かつB3点以上
基準(3):A3点以上
基準(4):C1点以上
例えば、2018年度診療報酬改定で導入された「認知症・せん妄状態にある患者に対する医療」であれば、「基準(2)のみを満たす患者」のA1点の内訳が示された。基準(2)のみを満たす患者の大半はB4点以上であった=グラフ1=。さらに、B項目の点数にかかわらず、A1点を獲得した項目は、おおよそ心電図モニターが半数、呼吸ケアと創傷処置が残りの半数を占めていた=グラフ2=。
グラフ1 基準(2)のみを満たす患者におけるB項目の点数状況
中医協 入院医療等の調査・評価分科会(2019年9月5日)の資料を基に分析(グラフ2も同様)
グラフ2 基準(2)のみを満たす患者におけるA1点の獲得項目状況
■基準(2)を満たすことだけで比較するならば、急性期病棟と慢性期病棟に違いはない
しかし、心電図モニターや呼吸ケアの要件を満たす患者は、急性期病棟だけではない。療養病棟でもこれらの項目の該当患者は少なくない。弊社の調査では、医療区分3では6割以上、医療区分2でも4割近くが、基準(2)を満たす(「『認知症』による看護必要度アップを手放しで喜べるのか」 参照)。
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次回配信は10月2日5:00の予定です
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