2020年度の診療報酬改定に向けて中央社会保険医療協議会(中医協)での議論が本格化しています。秋以降の第2ラウンドの議論では、どのような点がポイントになるのでしょうか。厚生労働省保険局の森光敬子・医療課長に聞きました。【松村秀士、兼松昭夫】
―20年度改定で力を入れたいことは。
大きく2つある。1つ目は、18年度改定を踏まえた対応。介護報酬との同時改定だったこともあり、18年度には入院医療への評価体系などでかなり大掛かりな修正が行われた。20年度の改定でまずやらなくてはならないのは、そうした大規模な制度改正がどのように現場に受け入れられ、どのような課題を抱えているのかを確認した上で、必要な修正を加えていくことだ。そのため、18年度改定後の現場の状況を調査・検証する。
もう1つは、医師など医療従事者の働き方改革や地域医療構想に沿った病床機能の再編、ICT(情報通信技術)など新規技術への対応など、医療関連のトピックごとに課題を整理すること。中医協の議論では、4-7月の第1ラウンドで、そうした観点から課題を洗い出した。9月以降の第2ラウンドでは、診療報酬でそれらにどう対応するかを外来や入院医療などの項目ごとに話し合う。
■入院料2・3は魅力的なのか
―中医協「入院医療等の調査・評価分科会」(入院分科会)の6月7日の会合で公表された分析データによると、18年度改定の前に一般病棟7対1を届け出ていた病棟のほとんどが、改定後に従来の7対1に相当する急性期一般入院料1へ移行していることが明らかになった。
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