【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■急性期一般入院料1の病院のほとんどで入退院支援加算を届出
前回は、入退院支援加算の院内データについて分析の切り口を見直し、入退院支援部門へポジティブなフィードバックをすることで、取り組みを加速させることについて述べた。今回は、オープンデータを用いて、入退院支援加算の取り組み状況を明らかにしてみる。
まず、各厚生局の届出受理状況から、入退院支援加算の届出をしている病院の割合を見た=グラフ1=。
グラフ1 入院料別の入退院支援加算の届出病院割合
各厚生局の届出受理状況(2019年5月1日時点)を基に作成 ※急性期一般入院料3の届出施設が少ないため、入院料2と合わせ割合を算出
急性期一般入院料1では、9割を超える病院が入退院支援加算の届出をしている。入院料2・3、4、5、6、7の順で、届出病院の割合は多い。地域一般入院料も同様に、1、2、3の順で多い。先日の中央社会保険医療協議会「入院医療等の調査・評価分科会」の資料でも、入院料はここまで細分化されていないが、同様の結果が示されていた。
グラフ2 病床規模(総病床数)別の入退院支援加算の届出病院割合
各厚生局の届出受理状況(2019年5月1日時点)を基に作成
ただし、急性期一般入院料1の病院であっても、入退院支援加算の届出病院割合は、総病床数が100床未満で約6割、100床台では9割を下回っている。一方、300床以上の病院ではほぼ100%になっている。「大病院ほど入退院支援加算を届け出ている」という傾向は、急性期一般入院料1に限らず、急性期一般入院料2-7や地域一般入院料1-3でも見られる傾向だ。
もし、自院が急性期一般入院基本料の病棟を有する病院で、現時点で入退院支援加算の届出をしていないのであれば、それはかなりの少数派に属していると認識すべきだろう。中小病院であれば致し方ないとも言えるが、グラフ1、2の数値を参考に取り組みを検討すべきかもしれない。
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次回配信は7月31日5:00の予定です
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