高齢化社会の進展や生活習慣の変化などによって、平成の30年間で患者に提供する医療の内容が変わった。それは、医薬品も同じだ。では、この間の医薬品市場はどのように変化したのか―。コンサルティング会社のIQVIAジャパンがまとめたデータによると、1989年に約5兆5260億円だった国内の医療用医薬品市場は、2018年に約4兆8114億円増(1.88倍)の約10兆3375億円にまで拡大。平成の前・中期は抗菌剤が市場を制したが、後期は抗がん剤が席巻した。【松村秀士】
IQVIAのデータによると、国内の医療用医薬品市場は1992年に初めて6兆円を超えた。その後はほぼ右肩上がりに推移して、2003年に7兆円、07年に8兆円、11年に9兆円、15年には10兆円に達し、4年ごとに1兆円ずつ大台を突破。特に07年から16年まで10年間、対前年比プラス成長を続けたことが、市場の成長につながった。ただ、17年と18年は連続でマイナス成長となった。
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