厚生労働省はこのほど、老人福祉法で必要とされる届出をしていない「未届の有料老人ホーム」などを対象とした指導の強化について、各都道府県などに通知した。厚労省の2018年度調査では、未届の有料老人ホームが17年度の1049件から899件へと減少したものの、いまだに違反施設が一定数存在していることから、厳正な指導・監督を都道府県などに求めた。【齋藤栄子】
厚労省は「18年度有料老人ホームを対象とした指導状況等のフォローアップ調査(第10回)」で、老人福祉法に基づき施設名称や管理者などの届出が義務付けられている有料老人ホームに該当しながら届け出ていない「未届の有料老人ホーム」について、各都道府県などを対象に調査した。有料老人ホームの届出先の都道府県等だけでなく、市区町村の地域包括支援センターなどと連携して情報を収集するとともに、実態調査中の施設も報告対象としている。
未届の有料老人ホームについては、行政によるサービスの実態把握が難しく、入居者の保護を図る観点から安全性やサービスの質を確保する上で課題とされている。届出がなくても、高齢者を入居させて介護等サービスを提供する場合は、老人福祉法上の有料老人ホームとして取り扱われて、都道府県等による指導・監督の対象となる。
■前払金の保全措置違反は59件
厚労省の調査によると、18年6月30日時点の届出施設数は1万3354件で、未届の有料老人ホームは899件だった。都道府県別では、北海道が291件で最も多く、次いで兵庫(89件)、大阪(76件)、神奈川(73件)、愛知(61件)などの順となった。
(残り448字 / 全1127字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】