日本製薬工業協会の中山譲治会長(第一三共会長)は24日記者会見し、「薬価改定に頼らない医療・社会保障制度改革」への転換を求める「政策提言2019」をまとめ、発表した。薬価制度は、イノベーション推進のため「医薬品の多面的価値に基づく評価」が必要とし、新薬の薬価算定には医療的価値だけでなく、経済性・労働生産性・医療政策の推進などの「社会的価値」を評価する視点を加えるとともに、算定時の比較対照技術を選定する指標も大きく拡大し、類似薬効比較方式に一本化する方向を目指す。【ライター 設楽幸雄】
政策提言は、「イノベーションの推進」と「国民皆保険の持続性」両立を目指す立場に立つものとし、政府が改革工程表に盛り込んでいる「医療の効率化・適正化」も基本的に支持する立場であることを示した。
その中で、製薬業界の役割は「医薬品の適正使用の推進」だとし、情報提供活動の適正化、薬剤耐性(AMR)問題、ポリファーマシー・残薬問題、高額薬剤の最適使用などへの取り組みを進めていることを挙げた。
一方、イノベーション推進の観点からは、医薬品の価値評価のあり方に対して「科学技術の急速な進歩に伴うイノベーションの価値を評価しきれない」として、「多面的価値に基づく評価」が必要だとした。
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