複数のがん遺伝子変異の有無を同時に確認し適切な治療につなげる「がん遺伝子パネル検査」が日本でも2019年度から保険適用となる見込みとなり、厚生労働省はパネル検査を実施できる施設として、これまでのがんゲノム医療中核拠点病院とがんゲノム医療連携病院のほかに、「がんゲノム医療拠点病院」を新設する。また、政府の新改革工程表は、現在9都道府県にとどまるがんゲノム医療中核拠点病院を20年度には新設のがんゲノム医療拠点病院と合わせて30都道府県とするKPIを設定した。【ライター 設楽幸雄】
特定のがん遺伝子変異を対象とした分子標的薬によるがん治療では、その遺伝子変異を確認するコンパニオン診断薬により使用の適否を判断してきた。
肺がんでは、EGFR遺伝子検査で異常があればゲフィチニブ(イレッサ)を使用、異常なしならALK遺伝子検査をして異常があればクリゾチニブ(ザーコリ)を使用、異常がなければさらに次の段階に進むという形だ。また、EGFR検査もALK検査も結果が出るまでに2週間を要していた。
一方、がん遺伝子パネル検査は、複数のがん遺伝子変異を同時に調べることができ、時間の節約になり、費用も節約される可能性がある。
パネル検査は、米国では324の遺伝子を検査できる「FoundationOne CDx」がすでに承認されているが、日本で承認されたものはない。
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