「病院マーケティングサミットJAPAN」はこのほど、「集患力を高める病院広報」をテーマに東京都内で「病院マーケティング Autumn Seminar 2018」を開催した。循環器内科の医師であり、ブランディングや医療コミュニケーションの人材育成と環境づくりに取り組むヴァイタリー(本社・東京都新宿区)の竹田陽介社長は、病院ウェブサイトを訪れる人の約8割がスマホを用いて検索エンジンから調べて来ていると、独自の調査結果を発表した。【齋藤栄子】
「病院マーケティングサミットJAPAN」は、病院広報を「社会医学」の観点から議論し、「病院が患者、医療職に選ばれるためのマーケティング戦略」の方法論を共有するため、竹田社長が代表理事となって発足した医療広報シンポジウム。竹田社長は、「webから出来る集患力の磨き方~ユーザー行動分析を極める~」をテーマに講演した。
一般的にイメージするマーケティングとは、利益のための企業活動である狭義のマーケティングだが、マーケティングの本質は時間やエネルギー、感情など非営利的なものを含めたソーシャルマーケティング的な「価値の交換」であると竹田社長は言う。病院のマーケティングは若くて未成熟な新しい領域で、確立した答えはまだ出ていないため、現場の医療従事者による議論が大事との考えからシンポジウムを発足させたという。
■誰の行動を促進したいのかを明確に
例えば、患者にとっては地域に複数ある総合病院の間にどのような違いがあるか分からないなど、それぞれの病院の特色や強みが伝わっておらず、生活者が自分で「良い病院」を選択することは難しい。従来の画一的な病院広報を漫然と続けていても、買い手(患者、紹介元の医療職、求職者など)の行動(受診、紹介、採用応募)を促進することはできず、広報をするのであれば、何のための病院広報か、どんなステークホルダーの、どんなアクションを促進するのか考えて、取り組む必要があると竹田社長は言う。
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