【株式会社日本M&Aセンター 業界再編部 調剤薬局専門チーム シニアディールマネージャー 山本夢人】
前回は、昨今の調剤薬局業界のM&A動向を含め、企業規模ごとの動きをお伝えした。本稿では「求められる薬局」になるために、大手企業や地域企業がどのような取り組みをしているのかを分析した結果をお伝えしたい。
さまざまな企業を訪問して取り組みをヒアリングし、私たちは6つのキーワードにたどり着いた。
「求められる薬局」になるための6つのキーワード
(1)理念/経営計画
(2)社員教育
(3)組織体制(HD化)
(4)ドミナント戦略
(5)在宅
(6)新卒採用
いずれも薬局経営において基本的な要素であるように思えるが、思いのほかそれらを完璧に実践している企業は少ない。それぞれのキーワードについてさまざまな意見や考えがあり、それらを以下にまとめる。
■M&Aの売却額にも影響を与える「経営計画」
(1)理念/経営計画
経営理念とは企業経営において非常に重要なものである。特に大事なことは理念が“明確かどうか”である。漠然とした理念は単なるお題目となってしまい、あまり効果を発揮しない。お題目のような大きな理念から、一段階、二段階と具体性を明確にしたものを優良企業は掲げている。
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