【一般社団法人リエゾン地域福祉研究所 代表理事 丸山法子】
介護や医療に限らず、経営者は経営方針を提示し、ベストな判断のために劇的な変更や撤退といった痛みを伴う決断をしなければいけません。時には嫌われたり、反対されたりもあるかもしれません。本音と建前を使い分け、冷たいと言われながらも、時代を見通してタイミングとニーズ、自施設の実力と経験を検討します。
昔のドラマで見た、目を見開いてぶれることなく「それでもこうする!」と熱く方針を語る孤高のリーダーは、惚れてしまいそうなくらいダンディーに描かれました。しかし現実は、迷いと悩みに包まれ、「よく分からない」と愚痴も言えず、かといって職員と同じスタンスで話もできず、どんどん心がすさんでいく施設長、理事長が少なくないように見受けられます。
■孤独は「コミュニティー」と「コミュニケーション」の欠如
そういう経営者にありがちな、残念なパターンが3つあります。1つ目は、職員に迎合するタイプ。にこやかな笑顔を作り、スタッフを飲み会に誘ってわいわいにぎやかに共に過ごし、自分は独りじゃないんだとごまかしているような人です。2つ目は、頼りになる人や心の通じ合う人がなく、悩みを抱え迷い続け、プライドを抱えたまま「1人脳内会議」で結論が出ない日々を過ごす人。3つ目は裸の王様タイプで、感情に任せて指示・命令をするものの、理詰めで反対された途端にキレてしまい、周りに「やれやれ、手が付けられない」と思わせる人です。
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