かかりつけ医が在宅医療を担うのに必要なのはー。2018年度診療報酬改定では、かかりつけ医が在宅医療に参入するためのインセンティブが用意されたが、参入に向けて何が求められるのか、また地域ごとに在宅システムを構築していく上での課題などについて、新田クリニック(東京都国立市)の新田國夫院長(全国在宅療養支援診療所連絡会会長)に聞いた。【大戸豊】
■患者の疾患を一括して診ることへの評価を
18年度診療報酬改定では、外来が中心のかかりつけ医が在宅にも参入できるように、診療所に関しては「地域包括診療料1・2」と「認知症地域包括診療料1・2」で常勤医師数が緩和されたほか、外来の患者が在宅へ10人以上移行していることが要件とされた=表=。
新田氏は、地域の医師に参入を求めるコンセプトや算定要件は妥当なものとしつつも、実際に普及するには時間がかかるとみている。
地域包括診療料は、▽高血圧症▽糖尿病▽脂質異常症▽認知症ーのうち、2つ以上の疾患がある患者の包括的な管理を評価する。
新田クリニックは、外来患者数は多いものの、地域包括診療料の要件に当てはまる患者は少ないという。同院はまた、東京都の認知症疾患医療センター(地域連携型)※1でもあり、認知症地域包括診療料の算定も進めてきたが、該当する患者が少なく、現時点では算定できていない。
新田氏は「かかりつけ医が診る疾患は広く、高血圧や糖尿病に限らない」とし、地域包括診療料の普及には、患者の疾患を一括して診ることへの評価が必要と言う。
※1 地域のかかりつけ医や施設、介護事業者と連携し、認知症の本人の診察や家族の相談に応じる認知症の専門機関
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