2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げに伴う、介護保険サービスに関する消費税の取り扱いについて、社会保障審議会介護給付費分科会は15日の会合で、関係3団体へのヒアリングを行った。各団体からは食費・居住費の負担に伴う基準費用額の見直しや、人材不足による介護職員などの人材派遣増加に伴う消費税負担が大きいなどの意見が出された。【齋藤栄子】
ヒアリングは、消費税率8%引き上げによる控除対象外消費税の負担の現状と、10%引き上げへの対応について意見を求めるもの。各団体が提出した要旨を資料配布して、意見陳述を行った後、委員が質問した。15日にヒアリングが行われたのは、全国個室ユニット型施設推進協議会、日本認知症グループホーム協会、日本医療法人協会の3団体。
表 「消費税引上げに向けたこれまでの対応」(社会保障審議会介護給付費分科会18年7月4日開催資料)
14年の消費税率8%引き上げ時には、介護サービス施設・事業所の仕入れなどに掛かる消費税負担が増えることから、介護報酬への上乗せ対応による補填を行った。しかし、同分科会介護事業経営調査委員会の「介護サービス施設・事業所の設備投資に関する調査」結果で、介護サービス施設・事業所の高額な投資は建物が大半を占めていて、医療と比べて総額・件数とも小さい傾向にあることなどから、介護報酬とは別建ての高額投資対応は行わなかった。また、食費・居住費に掛かる基準費用額も、13年度介護事業経営概況調査で食費・居住費の実態を調査した結果、据え置くこととした。これらの負担の状況について、各団体から意見が出た。
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