地域拠点のネットワーキング活動は、「認知症とともに暮らせる社会」の創出に向けた活動や創意工夫、イノベーションを促進する―。23日に開かれた東京都認知症対策推進会議で、都健康長寿医療センター研究所の粟田主一・自立促進と精神保健研究チーム研究部長は、認知症の人の在宅生活の継続を支援する「ケアモデル事業」(都受託研究事業)の成果や今後の展望などを報告した。高齢化した巨大団地を想定した大都市型「ケアモデル」は普及するのか。【新井哉】
■都内団地の高齢者、16.6%が認知機能低下
粟田部長らの研究グループが「ケアモデル事業」を展開した板橋区の高島平団地は、50年近く前に日本住宅公団(現UR都市機構)によって建設された巨大団地だ。高齢化率は33.2%(2016年7月1日現在)。都内全体の高齢化率を10ポイントほど上回っており、認知症の高齢者に対する支援のニーズが急速に高まっていた。
粟田部長らは、認知症高齢者の生活実態を把握する「観察研究」と、モデルを構築し、その効果を検証する「介入研究」を実施した。高島平1丁目から5丁目に住所地がある70歳以上の高齢者2020人に対し、高齢者を会場に集めた調査と訪問による調査を行い、「ミニメンタルステート検査」(MMSE)で認知機能を評価した。
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