AIホスピタルの実現に向けた計画の策定や取り組みが進んでいる。内閣府がAIホスピタルによる高度診断・治療システムの研究開発計画を7月に公表。AIを活用することで医師や看護師らの負担軽減につなげる見通しだ。8月には昭和大がAIを併用した大腸内視鏡検査で大腸ポリープを90%超の精度で診断できたといった臨床研究の“実績”を公表しており、AIの実用化も視野に入ってきた。医療現場はどう変わるのか。【新井哉】
■AI活用して患者との信頼関係を構築
AI技術を活用して医療現場での医療従事者の負担軽減を図りたい―。内閣府が6月に開いた研究開発計画に関する委員会で、中村祐輔座長(がん研究会がんプレシジョン医療研究センター所長)は、こうした方向性を示した。この委員会で提案されたのが、AIを使って診療現場での会話を文章の形で残したり、ベッドサイドでの患者への説明や応答の記録を書き残したりするシステムを整備することだった。
中村座長は、キーボードやスクリーンを見ながら、横目で患者と話をする現状を疑問視し、「患者と医療関係者がちゃんと向き合った形でコミュニケーションをとり、信頼関係を構築するということが非常に重要」と指摘。診療などの説明の補助にAIを活用する方向性を示していた。
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