【千葉大学医学部附属病院 副病院長、病院経営管理学研究センター長、ちば医経塾塾長 井上貴裕】
なぜ、救急医療係数に地域差が生じるのか。
この連載の第35回「地域差に影響されない救急医療係数の設計を」では、2016年度の救急医療係数と緊急入院患者に占める救急医療入院の割合に強い相関があることを指摘した=グラフ1=。
救急医療係数は、重篤な緊急入院患者の受け入れへの評価で、その対象は入院初日、および翌日に救急医療管理加算、または特定集中治療室管理料などの特定入院料を算定する患者となっている。重篤な緊急入院を受け入れる割合が高い病院は救急医療管理加算による報酬を受けられるだけでなく、救急医療係数でも評価対象となる。グラフ1は、このことが地域全体で見ても同様の傾向であることを意味している。ただ、現実は千葉県に重症患者が多く、福井県に軽症患者が多いということよりも、審査基準の違いなど地域による査定の事情が強く影響していることを指摘してきた。
このことが18年度診療報酬改定でどう変わったのか、地域による審査基準はどう違うのか、そして医療政策として今後、どうしていくべきなのかに言及する。
次回配信は8月20日5:00の予定です
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