都道府県が第7次医療計画や第5期障害福祉計画に「精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築」を明記し、精神障害者の地域移行を本格化させている。地域移行の中心を担うのが、医療・保健・福祉関係者による「協議の場」だ。厚生労働省によると、21道県(1月1日時点)が設置した。ただ、設置の時期などを明確にしていない自治体もあり、連携体制の構築については地域間で格差が生じる恐れもある。【新井哉】
■20年度末までに全圏域での設置が目標
2020年度末までに全ての圏域ごとに、精神障害者地域移行・地域定着推進協議会などの「協議の場」を設置する―。第5期障害福祉計画の基本指針には、こうした目標が定められている。これを受け、障害福祉計画や医療計画に「協議の場」を設置する方針を盛り込んだ都道府県が少なくない。
都道府県ごとの設置状況はどうなっているのか。厚労省によると、▽北海道▽岩手▽宮城▽秋田▽福島▽千葉▽新潟▽石川▽岐阜▽静岡▽三重▽兵庫▽和歌山▽鳥取▽島根▽山口▽香川▽長崎▽大分▽宮崎▽鹿児島―の21道県で「協議の場」を設置。埼玉や愛知、京都など17府県が20年度までに設置する予定だ。
「協議の場」を設ける狙いは、▽精神科医療機関▽精神科以外の医療機関▽地域援助事業者▽市町村などの関係者―が情報の共有や連携を図る体制を構築することだ。しかし、開催方法などのイメージがわかず、「どのように運営したらよいのか」と戸惑う自治体もあるという。また、形式的な開催に陥らないように、地域の課題解決に向けた効果的な協議を実施できる場にすることが求められている。
(残り701字 / 全1374字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】