厚生労働省は5日、厚生科学審議会の「医薬品医療機器制度部会」の会合に、情報通信機器を使ったオンライン服薬指導についての具体的な要件の検討などを提案した。薬剤師の対人業務を推し進めるための方策の一環だが、委員からはオンライン服薬指導の普及に慎重な意見が出た。【松村秀士】
厚労省の担当者は会合終了後、「特区以外の場所でもオンライン服薬指導をできるようにするという合意が得られれば、法律を改正した上で、要件を法律に書くのか、ガイドラインのようなもので示すのかは調整が必要」と語った。また、夏ごろまでに意見を整理することも明らかにした。
服薬指導については、医薬品医療機器等法(薬機法)で対面での実施が義務付けられている。しかし、政府の規制改革推進会議が6月にまとめた答申で、医療・介護分野での在宅サービスの需要拡大を見越して、オンライン診療や訪問診療を利用する患者やへき地などの地域を想定し、薬剤師による「対面服薬指導」と「オンライン服薬指導」を一定の条件下で柔軟に組み合わせる方向性を打ち出していた。
5日の会合で厚労省は、薬機法の見直しに向けた検討テーマの「薬局・薬剤師の在り方」に関する論点案を提示。具体的には、薬剤師の対人業務を推進するための方策として、オンライン服薬指導などによって業務の効率化を進めるための具体的な要件の検討を求めたほか、薬剤師の専門性や訪問による薬学管理・服薬指導を強化することも提案した。
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