香川県に支出した交付金1億9500万円が、1つの病院につぎ込まれている―。病院の建物の整備を行う「医療提供体制施設整備交付金」について、行政事業レビューの外部有識者は、こうした支出方法などを問題視し、交付金事業全体の抜本的な改善を行うよう求めた。厚生労働省は、事業の見直しを視野に入れて検討する見通し。支出先が特定の医療機関に偏っているケースについては、今後、選考過程の透明性の確保が求められそうだ。【新井哉】
■香川・高知の交付金の支出先、特定の病院に集中
同交付金は、医療計画制度の実効性を確保するため、救急医療や周産期医療などの施設整備を支援する目的がある。医療計画の推進に関する事業に加え、施設環境の改善や病院の耐震整備などの経費も補助の対象だ。2018年度の当初予算は、前年度比6億9700万円増の32億4200万円となっている。
交付金の意義について、厚労省は「医療機関等の施設整備は、良質な医療を提供する上で、欠かすことのできない手段の1つであり、引き続き国において実施していく必要がある」としており、交付金の廃止は避けたい考えだった。交付金の位置付けに関しては「自主性・裁量性を発揮できる助成制度」としており、都道府県にとって使いやすい仕組みになっている。
14日に厚労省で開かれた行政事業レビューで、外部有識者が問題視したのは、香川県と高知県の交付金の支出先だった。
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