【千葉大学医学部附属病院 副病院長、病院経営管理学研究センター長、ちば医経塾塾長 井上貴裕】
この連載でも取り上げてきたが、急性期病院の業績悪化に歯止めが掛からない。特定機能病院のような高度医療を提供する施設や500床以上の一般病院など、大規模急性期病院の業績悪化は顕著といえる。これは2014年度の消費税増税の影響も関係している。急性期病院では材料費がかさむし、業務委託なども多くなるが、そこに消費税負担がのしかかるので、業績悪化はやむを得ない。特に高額な医薬品や診療材料が次々出てくる中では、消費税の問題をどう考えるかは、極めて重要な論点である。もちろん政策や制度のせいにして、自助努力を惜しむようではいけないし、言い訳の材料にするのは避けたい。
今回は、千葉大学医学部附属病院が業績を向上させてきた取り組みを紹介するとともに、その背景には職員の努力だけではなく、設備投資の抑制があり、消費税負担分の補てんが十分ではないことにより、中長期的に診療機能が損なわれる危険性について論じていく。
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次回配信は7月2日5:00の予定です
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