経済産業省は、「将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会」報告書を取りまとめた。高齢者の社会参加を促し、要支援・要介護状態になるのを遅らせたり、元気な高齢者などに「介護サポーター」として現場を手伝ってもらったりしながら、介護人材の不足を補う方法を提言するものだ。社会参加を中心に介護予防などを進め、介護サービスの利用者数の増加を抑えれば、2035年時点で介護人材の需要が最大で31万人抑制されるほか、「介護サポーター」の活躍を通じても約20万人の抑制が見込まれるとしている。【大戸豊】
介護予防の推進による介護人材需要への影響(経済産業省による試算) クリックで拡大
経済産業省「将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会」報告書より(以下同様)
「入院前から始める退院支援」が医療・介護を変える日
■高齢者の「社会的役割」を失わせないように社会参加促す
報告書では特に、高齢者の「社会的役割」を失わせないように社会参加を促すことが、介護予防の観点でも重要としている。背景には、地域コミュニティーの希薄化や、夫婦のみ・独り暮らし高齢者の増加で、階層的な支え合い機能が低下する中、社会的なつながりが失われてしまった高齢者の早期発見・対応が難しくなる恐れがあるといった理由がある。
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