全都道府県に設置する「依存症専門医療機関」の選定作業で、自治体間に足並みの乱れが生じている。これまでに選定を終えた自治体は2府県1市(2月9日時点)にとどまっており、一部の自治体は選定作業が2018年度にずれ込む見通し。厚生労働省が推進している「地域における依存症の支援体制の整備」(17年度予算4億4900万円)の実現がおぼつかない状況だ。【新井哉】
■都道府県ごとに1カ所以上設置
依存症専門医療機関の選定などによる医療提供体制の整備を図る―。厚労省は28日に開かれた「アルコール健康障害対策関係者会議」で、17年度予算と事業実績を説明。「地域における依存症の支援体制の整備」の主な取り組みとして、依存症専門医療機関の選定と精神保健福祉センターなどへの依存症相談員の配置を挙げた。
国は16年5月に「アルコール健康障害対策推進基本計画」を策定。関係機関が連携して相談や回復などの支援体制を整備する方向性を示しており、計画期間中(16-20年度)に都道府県ごとに計画を立てるよう求めている。都道府県の計画の中で、依存症専門医療機関の選定と精神保健福祉センターなどへの依存症相談員の配置は重要な位置を占めている。
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