厚生労働省の「高齢者医薬品適正使用検討会」は9日の会合で、高齢者への多剤服用対策を進めるための指針(総論編)の案を大筋で了承した。指針案には、処方見直しの考え方やそのプロセスのほか、特に慎重な投与が必要な薬物などを記載している。この日の意見を踏まえて、厚労省は案を修正し、月内にもパブリックコメントの募集を始める。【松村秀士】
複数の疾患を抱える高齢者は、多くの薬を処方される傾向にあるが、多剤服用によって副作用が強まったり、相互作用が生じたりして、転倒や記憶障害、せん妄といった薬物による有害事象が起こるリスクが高まる。
こうした状況を踏まえ、厚労省は同検討会を設置し、2017年8月に議論の中間とりまとめを行った。さらに、同検討会の下にワーキンググループを設置し、指針作りを進めてきた。
■指針は適正な薬物療法のための「ガイダンス」
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