2018年度の診療報酬改定をめぐる中央社会保険医療協議会の議論では、レセプト(診療報酬明細書)の様式を同年度の報酬改定から段階的に見直すことが決まりました。18年度には、レセプトの記載要領を見直して電子レセプトなどでの患者の氏名の記載を、これまでの漢字と平仮名だけでなく片仮名でも併記するよう協力を求めます。【兼松昭夫】
電子レセプトの患者氏名に片仮名の併記を求めるのは、既に片仮名での表記が求められている介護保険の受給者台帳と表記を統一することで、同じ患者が受けた医療と介護双方の内容を「見える化」するためです。2年後の20年度には、保健・医療・介護の3分野をまたぐビッグデータを解析できる「保健医療データプラットフォーム」の稼働が控えていて、より有用なデータをそれまでに収集できるようにする狙いです。
厚生労働省は、18年度の改定で患者の住所の郵便番号をレセプトに記載することを提案していましたが、今回は結局見送りました。それぞれの医療機関にどの地域の患者がどれだけ受診しているかを把握し、各都道府県の「地域医療構想」の見直しなどに役立てようという提案でしたが、同省によると、郵便番号をいちいち確認しなければならなくなるなど見直しに伴う負担増を懸念する診療側の意見に配慮しました。
中央社会保険医療協議会・総会(2017年7月12日)参考資料より
レセプト様式の見直しはどこまで進むのか。
■摘要欄の記載法見直し、詳細は3月上旬以降に通知へ
レセプト様式の見直しは、中医協が17年7月12日に開いた総会で提案し、厚労省は、18年度だけでなく20年度以降の改定も含め、段階的に対応する方針を示していました。見直しに伴って社会保険診療報酬支払基金などの審査支払機関や医療機関、医療保険者のシステムに影響が及ぶためです。
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