治療抵抗性統合失調症治療薬のクロザピン(商品名・クロザリル)を使用する患者の割合が増える可能性が出てきた。関連学会の要望を受け、医師らで構成する第三者委員会の「クロザリル適正使用委員会」が、運用の基準を緩和する結論を出したからだ。同剤の課題と今後の方向性を探った。【新井哉】
■厳しい基準、患者・医療機関に「大きな負担」
クロザピンは、従来の治療薬では効かない治療抵抗性の統合失調症を治療するもので、世界各国で使用されている。治療抵抗性の統合失調症患者の30-70%に症状の改善が見込めるが、無顆粒球症などの重大な副作用が生じる可能性があるため、国内では血液内科との連携や患者のモニタリングなどが必要となっている。クロザピンの処方が先行している国では、「使用する患者の割合は、25-30%程度である一方、日本は0.6%にとどまっている」(厚生労働省)という。
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