厚生労働省は21日、高齢者への多剤服用対策を進めるための包括的な指針の案を、「高齢者医薬品適正使用ガイドライン作成ワーキンググループ」(WG)に提示し、大筋で了承を得た。指針案は、主に医師や薬剤師を対象としたもので、処方見直しの考え方やそのプロセス、減薬の際の注意点などを盛り込んでいる。厚労省では、3月9日に開催予定の上部組織の検討会で指針の取りまとめを目指し、春ごろに公表する方針だ。【松村秀士】
厚労省によると、全国の保険薬局での処方調査の結果で75歳以上の人の約4分の1が7種類以上、約4割が5種類以上の薬剤を処方されている。しかし、高齢者が多剤を服用することによって副作用が強まったり、相互作用が生じたりして、転倒や抑うつ、記憶障害などの「薬物有害事象」が起こるリスクが高まる。そのため、高齢者への多剤服用対策が求められていることから、指針の策定に向けた議論が、検討会やWGで進められてきた。
厚労省は、2017年度中に包括的な指針(総論編)を作り、18年度中に疾患領域別・療養環境別の指針(詳細編)を作成することを目指している。
■ポリファーマシー対策、安全確保の視点で
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