【北海道介護福祉道場 あかい花代表 菊地雅洋】
2018年度介護報酬改定では、居宅介護支援事業所の管理者要件が「主任ケアマネジャー」に限定された(3年間の経過措置あり)。これにより、主任ケアマネジャーがいない居宅介護支援事業者は、今後3年間で職員に主任ケアマネジャー研修を受講させるなどして、主任ケアマネを確保する必要がある。その後も管理者は、主任ケアマネ更新研修を受講しながら、資格を更新し続けねばならない。これについて、国は質の高いケアマネジメントを担保するためとしている。確かに主任ケアマネ研修では、人事管理や経営管理のほか、地域や事業所の介護支援専門員に対する個別支援の講義を受けるが、試験に合格する必要はない。受講するだけで得られる資格で、どれほどの質の担保ができるのかは、今後の検証に委ねられることになる。
いずれにしても、これが主任ケアマネジャー研修の受講者増(と更新研修)を見越した、“新たな収入の仕組み”でないことを祈るばかりだ。
そのような中、居宅介護支援費については、取扱件数が40未満の部分は、10単位以上引き上げられた。16年度介護事業経営実態調査で唯一収益率がマイナスだったことを考えれば、全体の改定率がプラス0.54%となった18年度の介護報酬改定で居宅介護支援費が引き上げられるのは当然と言えば当然だが、この引き上げは、管理者が主任ケアマネジャーに限定されるための必要経費分と考えられなくもない。
それは診療報酬とのダブル改定で、薬価引き下げ分の恩恵なのかもしれないが、そうであるならば、3年後の介護報酬単独改定の際は、その反動でより厳しいマイナス改定になることも考えられる。関係者にはそうした危機感を抱いてほしい。
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