【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■看護必要度30%をクリアできる病院こそが戦略を見つめ直すべきか
前回は、7対1看護配置の急性期病院をメーンに、急性期一般入院基本料では、どの入院料を算定するようになるのか、「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の状況に応じて整理した。
CBnewsマネジメントで、千葉大学医学部附属病院の井上貴裕氏も「急性期一般入院料1の基準が30%なのは、厳しいといった見方もあるようだが、看護必要度については、それほど苦労せずにクリアする病院がほとんどだろう」(2018年度診療報酬改定後を展望する )と指摘しているが、私も看護必要度30%の基準は厳しくないと考えている(「看護必要度、認知症の評価アップは病床高回転に水を差す?」等参照)。
しかしながら、2025年に向け、厚生労働省が「ワイングラス型」から「砲弾型」への病床機能の再編を促しているのを踏まえれば、多くの病院が何もアクションを取らないような制度は考えにくい。厚労省の意図は恐らく、改定でやみくもに不安をあおったり、病院経営を混乱させたりすることなく、中期的に人員配置や新たな機能展開を検討できる時間的・財源的余裕を与えるところにある。つまり、30%がクリアできるか否かではなく、すべての病院に対し、「地域から求められている機能と自院が持っている機能」「診療報酬制度とのミスマッチがないか」についての確認を求めているのだと思う。ちなみに30%をクリアできない病院はおのずと戦略を見つめ直すことになるだけに、30%をクリアできる病院こそが、意識的に戦略を見つめ直すことが重要と考えている。
図 看護必要度の該当患者割合の4パターンと病院の特徴
そこで、今回は急性期病院を看護必要度の該当患者割合の特性から、4つのパターン=図=に分け、それぞれの特徴と課題について考える。
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次回配信は3月7日5:00の予定です
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