医療機関や医療従事者を対象にした終末期医療に関する提案が相次いでいる。厚生労働省は中央社会保険医療協議会(中医協)の総会で、在宅療養の患者について、その最期の段階を入院で看取った場合の評価を検討することを提案しており、病院・有床診療所の関与の度合いを高めたい考えだ。日本医師会(日医)も、本人の意思決定を支援する「かかりつけ医」の役割などをまとめた生命倫理懇談会の答申を公表。将来の意思決定能力の低下に備え、患者や家族らとケア全体の目標や治療について話し合う「ACP(Advance Care Planning)」の重要性を訴えている。【新井哉】
■ガイドラインに基づく医療提供に加算
「診療・介護報酬改定において、ガイドラインの報酬における位置付けが検討されている」。22日に開かれた「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」で、厚労省の担当者はこう指摘し、医療従事者と患者・家族の間で繰り返し話し合う重要性について、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」に記載する方向性を示した。
この方向性の前提となっているのが、11月10日の中医協の総会で厚労省が示した「看取りに関する課題と論点案」だ。厚労省は総会で、終末期医療に関する意識調査の結果を基に「患者(入所者)との話し合いを行っていると回答した従事者の割合は、約7-9割であった」と説明。ただし、「3-5割の従事者がガイドラインを知らない」といった課題があるとした。
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