2025年以降の医療・介護ニーズの増大に対応できる体制をつくり上げる上で「極めて重要な」節目と厚生労働省が位置付ける診療報酬と介護報酬の18年度の同時改定は、診療報酬本体と介護報酬のダブル引き上げで決着。今後は、中央社会保険医療協議会での診療報酬の配分が焦点になる。【兼松昭夫】
6300億円規模と見込まれる社会保障費の自然増を経済・財政再生計画に沿って5000億円程度に抑え、さらに子育て支援のための財源を確保する方針を政府が掲げたこともあり、18年度診療報酬改定は、当初は「本体マイナス」の可能性もささやかれた。しかし、ふたを開けてみれば薬価の1.36%引き下げだけで自然増の削減分(1300億円)を上回る1500億円程度(国費ベース)の財源確保にめどが付き、診療報酬本体に600億円程度の財源(同)を確保した。
診療報酬本体の改定率の内訳は医科0.63%、歯科0.69%、調剤0.19%のいずれもプラス。介護報酬も0.54%引き上げる。日本医師会など3団体は予算案の編成過程で、診療報酬本体について16年度の0.49%を超えるプラス改定を求めたが、最終的にはこれを上回る引き上げ幅になった。
加藤勝信厚労相は18日、麻生太郎財務相との予算案の折衝後、厚労省内で開いた記者会見で、「効率化など見直しをしながら、診療報酬、介護報酬、障害者報酬を含め必要な対応に財源を付けた」と説明した。
社会保障審議会の医療保険部会と医療部会が基本方針をまとめ、今回、改定率が出そろったことで、診療報酬改定をめぐる議論は、中央社会保険医療協議会での具体的な点数配分に舞台を移す。
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