医療従事者が提供した医療に起因し、予期しなかった死亡事例を報告する医療事故調査制度が2015年10月にスタートして丸2年。制度の周知が進んでいるとの評価がある一方、医療事故調査・支援センター(センター)業務を担当する日本医療安全調査機構(高久史麿理事長)の医療事故調査・支援事業運営委員会の事務局が、センター調査の結果を公開したいとの考えを示したところ、一部の関係者が待ったを掛けるなど、混乱が生じた。今こそ、制度の根本理念に立ち返る必要がありそうだ。【君塚靖】
この制度は、医療事故の再発防止により医療の安全を確保することを目的として創設された。医療事故の起きた医療機関は、遺族に説明した上で、センターに報告。まず院内調査を開始し、その結果を遺族に説明。さらにその結果をセンターに報告する仕組みだ。センターに報告された医療事故は累計751件(今年9月末時点)、院内調査結果報告は累計476件(同)となっている。
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