厚生労働省は27日、社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=田中滋・慶大名誉教授)を開催し、2017年度介護事業経営実態調査(介護実調)の結果を報告。また、18年度介護報酬改定に向けた基本的な視点、地域区分の設定のほか、福祉用具貸与の報酬・基準などを示した。17年度の介護実調の結果と、基本的な視点を基に今後、各サービスの介護報酬の具体的な内容が取りまとめられていくことになる。【CBnews契約ライター櫻井啓示】
今年5月に実施した16年度決算に基づく17年度介護実調は、全サービス平均の収支差率が3.3%となり、前年度決算(3.8%)に比べ0.5ポイント悪化した。
この結果を受け、委員からは「中小企業の状況を勘案すると、決して悪い状況ではない」「介護保険制度の持続確保の観点から見ると、プラス改定をする環境にない」という意見が出る一方、「収入に対する人件費の割合が増加している状況を考えると、大きなマイナス改定を繰り返すことは避けるべき」「介護人材の確保と処遇改善のため、これ以上の収支悪化はサービスの質低下を生んでしまう」「魅力ある業界であるためには、事業者の安定的な経営が可能であることが重要。これ以上の引き下げは好ましくない」「中小企業との比較論は、ナンセンスである」など、介護報酬の引き下げに否定的な意見が多くを占めた。
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