【北海道介護福祉道場 あかい花代表 菊地雅洋】
介護保険制度の改正や介護報酬改定の目的について国は、制度の持続可能性を担保するためだとアナウンスしている。そのために地域包括ケアシステムを深化させる必要があると言っている。限りある財源を必要な部分に重点的に配布するために、市町村が地域支援事業を中心に、住民ニーズに合致した独自のサービスを展開することによって、介護給付費を抑えることができるとしているのである。
それでは、地域包括ケアシステムとは何だろうか。2013年3月に地域包括ケアシステム研究会がまとめた「地域包括ケアシステムの構築における今後の検討のための論点」では、「地域包括ケアシステムでは、生活の基盤として必要な住まいが整備され、そのなかで高齢者本人の希望にかなった住まい方が確保されていることが前提になる」と解説されている。つまり、地域包括ケアシステムとは、住み慣れた地域で暮らし続けるために、自宅に住み続けることにこだわらず、心身の状態に応じた住み替えを求めるシステムなのである。
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