【北海道介護福祉道場 あかい花代表 菊地雅洋】
8月23日の社会保障審議会介護給付費分科会で、日本慢性期医療協会の武久洋三会長が事務局に対し、「特別養護老人ホームは、利用者の終の棲家なのか」と確認したところ、法令上はそう限っていないという説明があった。確かに、特養の設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第四十六号)、(基本方針)第二条2では、「特別養護老人ホームは、入所者の処遇に関する計画に基づき、可能な限り、居宅における生活への復帰を念頭に置いて(以下略)」と規定しており、在宅復帰を目指し、介護などを行う施設であるとしている。
しかし、措置制度から介護保険制度に至る過程では、特養の役割として、「終生施設=終の棲家」としての機能が求められてきたという歴史的事実がある。よって当日の事務局の回答も、「終の棲家」という特養の役割を否定するものではなく、その役割も併せ持ってはいるが、その機能に限らず一方では、在宅復帰のための自立支援施設であることを示したものにすぎないと解釈したい。
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