【小濱介護経営事務所代表 小濱道博】
今回は8月の社会保障審議会介護給付費分科会の審議を振り返る。そのポイントは23日の審議に集約される。2018年度介護報酬改定のターゲットは、集合住宅の併設事業所である。前回改定のターゲットであったデイサービスはついに事業所数がマイナスに転じ、一つの時代の終焉ともいわれる大打撃となった。今回のターゲットである集合住宅併設事業所、その母体である高齢者住宅自体も廃業、倒産の危機に直面すると危惧される状況になりつつある。
その理由は、老人福祉法と介護保険法の改正によって、行政処分が業務停止まで拡大され、それを理由として併設事業所の指定取り消しができるという厳格な改正が成立したことだ。7月21日の厚生労働省通知で併設事業所への実地指導の強化と指導ポイントが示されたこと、さらには今回の改定の審議内容である。訪問介護などの集合住宅減算の厳格化と、居宅介護支援への適用の拡大、訪問介護の生活援助報酬の減額と回数制限、もしくは上限価格制の導入の可能性などが理由として挙げられる。そして、8月23日には、さらなる締め付け案が提案された。すなわち、区分支給限度額の計算では、集合住宅減算を適用する前の報酬単位で区分支給限度額計算を行うとされたことである。
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