入院させない。入院しても退院時にはすぐに受け入れる-。社会福祉法人合掌苑(東京都町田市)では、退院後の早期受け入れは、病院、利用者、介護施設のいずれにも望ましいと考えている。救急搬送を減らし、急性期病床を確保する上でも、介護施設などの協力はさらに必要であり、病院にも患者の退院後を見据えた配慮が求められる。【大戸豊】
■入院で低下した生活機能の早期改善が重要
合掌苑は、特別養護老人ホームや有料老人ホームを運営し、近年は在宅系サービスを強化している。
施設の介護スタッフは、利用者が入院すると、頻繁に見舞いに行く。医師や看護師とコンタクトを取りつつ、退院が許されれば、すぐに施設に戻ってもらっている。
森田健一マネジャーは、病院が在院日数の短縮を求められ、介護施設も入居管理を徹底させないと経営的に厳しいとしつつも、「最も重要なのは、入院で低下した生活機能を早期に回復させること」と強調する。
市内の急性期病院とは、数十年来の関係で、利用者の入院が必要になっても、まず断られることはない。また、自分たちも病院のバックベッドの一部を担っているという意識もあるという。
■介護資源活用し、できるだけ地域で過ごす
合掌苑では、地域でできるだけ長く過ごせるよう、在宅機能を強化している。
入院により、身体状態や生活機能が落ちた利用者が、何とか持ち直すものの、その後病院と在宅を行き来するうちに、在宅生活が困難となり、特養に入所するパターンは多い。
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