救急車を受け入れる診療所として注目された川越救急クリニック(埼玉県川越市)は、開院から7年目を迎えた現在も、年間約1500台の救急搬送を受け入れている。
二次救急で受け入れを嫌がられてしまう症例も極力受け入れてきたが、断らない救急を進めるだけでは埋まらない“すき間”も目立ってきた。【大戸豊】
同院は、月曜から日曜日までの毎日(不定期の休診あり)、外来診療(16時-22時)を行い、救急搬送を受け入れている。救急車の受け入れは外来が終わった後の深夜が中心だが、平日なら2、3件、土日・休日では10件以上になる。応需率は平均で9割程度と高い。
外来は医師1人、看護師2人、救急救命士1人、事務職2人の体制で、夜間は医師1人、看護師2人、救急救命士1人が当直する。医師の体制は上原淳院長と木川英副院長の2人が中心となり、平日は交代、土日は2人で勤務している。
3月13日の夜間外来では、19時半の時点で、15台は入る駐車場はほぼ満車の状態。インフルエンザが疑われる子どもが親と一緒に来院する姿が目立つ。時折、頭部や足に外傷を負った患者が来院し、上原院長が縫合する。患者は30-40歳代が中心で、70歳代以上は見かけない。
スタッフが電話を受けると、他の医療機関で呼吸器系の外来に通っている男性患者から「呼吸が苦しい。でも薬が効かない」との訴え。状態は問題がないことを確認した上で、「来ていただいても大丈夫ですが、うちは呼吸器の専門ではないので、やはり専門の先生に診てもらう必要があります」と伝えると、男性は電話を切った。
川越救急クリニックの駐車場は19時半の時点でほぼ満車だった
(残り2124字 / 全2818字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】