三次救急を担う病院は、高齢者の搬送数増加にどう対応すればいいのか―。
横浜市鶴見区にある済生会横浜市東部病院では、救命救急センターをパンクさせないために、さまざまな方策を試みてきた。【大戸豊】
同院の病床が満床となり、救急を断らざるを得ないケースが数年前から増え、2013年には、平日夜間と土日祝日は同院が区内の救急搬送のほとんどを引き受け、患者の状態が安定したら早期に区内の7病院が転院を受け入れる「鶴見区ルール」をスタートした。同時期には、搬送先病院の受け入れの可否などをリアルタイムに確認できる「横浜市救急医療情報システム(YMIS)」の運用が軌道に乗り、救急隊員の側から搬送先を判断しやすくなったことで、東部病院への集中は少しずつ緩和された。
同院の救急車搬送患者数は平均月間495件(2016年)、年間では6000件に上る。搬送要請があった場合の応需率は約9割で、2年前は85%まで下がっていたが、何とか工夫して5%アップさせた。ただ、横浜市の救急搬送数は増加し続けており、現在の仕組みのままでは、対応が厳しくなるのは明らかだ。
三角隆彦院長は、三次救急として受け入れなければならない重症レベルの患者は絶対に断わらないと強調しつつ、重症度がやや下がる中等度レベルの患者は、受け切れないケースもあると話す。
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