【千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授 井上貴裕】
2010年度診療報酬改定では、栄養サポートチーム加算(以下、NST加算)や呼吸ケアチーム加算などが新設され、チーム医療がクローズアップされた。その後も、糖尿病透析予防指導管理料や精神科リエゾンチーム加算など、チーム医療に関連した診療報酬は着実に増加傾向にある。
主治医制を中心とした縦割りになりがちな医療提供体制において、横串を刺すチームの機能は極めて重要であり、充実が求められる分野であることは間違いない。各職種が歩み寄り、それぞれの専門性を発揮するという意味においてもモチベーションアップにつながるので、前向きに取り組むことが望ましい。
しかしながら、診療報酬における点数は決して高くなく、200-400点程度が中心だ。多職種が連携し、カンファレンスなどを実施することを考えれば、採算ベースに乗せるのは厳しいわけだが、報酬がなくても実施するのが当然の取り組みという前提なのかもしれない。私はチーム医療に関する加算の届け出は、メンバーの士気向上や対外的な意味も含めて積極的に行うべきだと基本的に考えている。
本稿では、チーム医療の中でもクローズアップされることが多いNST加算について、その背景や経済的効果および病院経営者がNSTに求めたい事項を取り上げる。
次回配信は12月26日5:00を予定しています
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