中央社会保険医療協議会(中医協)が抗がん剤「オプジーボ」の薬価を半額に引き下げることを決めたことを受け、日本医師会の横倉義武会長は16日の記者会見で、「国民皆保険を維持するために、緊急的な対応としてやむを得なかった」と述べた。また、現行の薬価算定のあり方を見直す必要があるとの考えも示した。【松村秀士】
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オプジーボをめぐっては、昨年12月に患者が多い「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」にも適応が拡大したことで、対象患者が約470人から約1万5000人に増加。これに伴い、製造販売元である小野薬品工業の今年度の年間予想販売額は、薬価収載時に見込んでいた予想額を大きく上回った。薬価が高額なことから、医療保険財政を圧迫するとの懸念の声が上がっていた。
こうした指摘などを踏まえ、16日の中医協総会で厚生労働省は、オプジーボの薬価を半額に引き下げることを提案し、了承された。
これを受けて日医の横倉会長は会見で、国民皆保険制度を維持させるため、オプジーボの薬価を半減するのは「緊急的にやむを得ない」とし、中医協の決定に理解を示した。その上で、「今後、多くの新しい高額薬剤が出てくると思うが、従来の薬価の決め方がふさわしいかどうかを見直すべき」と述べた。
■東京五輪での熱中症対策の体制整備を要望―日医と都医
横倉会長はまた、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックで、一般の患者や障害者、訪日外国人らにも配慮した熱中症対策の体制を整備するよう求める要望書を、東京都医師会(都医)と連名で塩崎恭久厚労相らに提出したことを明らかにした。
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