医療機関同士の機能分担を進めるため、厚生労働省は今年4月に省令などを改正し、紹介状を持たずに受診した外来患者から大病院が一定額以上の特別料金を義務的に徴収するといったルールを設けた。CBnewsの調査で、大病院に当たる特定機能病院の9割近くが今月1日時点で、初診時に徴収しなければならない最低額に消費税分を加えた5400円を徴収していることが分かった。特定機能病院と同様に、病床規模が大きい地域医療支援病院も一定額以上の徴収が義務付けられたが、その対象から外れるために許可病床数を減らす病院もあった。【佐藤貴彦】
厚労省の調べでは、2015年4月時点で、当時86施設あった特定機能病院のうち、全施設が初診時の特別料金を徴収する一方で、再診時は17施設(19.8%)のみが徴収していた。500床以上の地域医療支援病院(164施設)も同様に、初診時は全施設が徴収していたが、再診時は25施設(15.2%)だけが徴収していた。また、一般病床200床以上の病院が徴収している金額の全国平均(同月時点)は、初診時が2408円、再診時が1218円だった。
同省は今年4月、関係する省令や告示を改正。特定機能病院と一般病床500床以上の地域医療支援病院を対象に、初診時・再診時の特別料金の最低額をそれぞれ設定した。具体的には医科の場合、初診時は5000円以上、再診時は2500円以上徴収することを義務付けた。
ただ、最低額以上の特別料金を徴収するために地方自治体による条例の制定などが必要な公的医療機関などには、9月末まで最低額の適用を免除する経過措置がある。
■特定機能病院、初診時の最高額は1万円超
CBnewsは現在84施設ある特定機能病院について、今月1日時点の特別料金の設定状況を調査した。病院が地方厚生局などに報告した内容や、ホームページに掲載した情報を収集し、掲載していない場合は電話やファクスで確認した。
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