【千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授 井上貴裕】
1 画像診断管理加算は今後さらに拡大していく
十分な経験を有する常勤画像診断医による画像診断管理を評価するのが、画像診断管理加算1、2である=表1=。急性期病院にとって画像診断の体制整備は極めて重要であり、人員の手厚い配置が必要だが、迅速な読影のためにも画像診断管理加算2の届け出が望ましい。しかし、CTやMRIの撮影枚数が多くなければ、十分な読影体制を維持することは難しく、翌診療日までに8割以上の読影実施という要件を満たすことは容易ではない。また、不足する読影医の現状からすると、救急医療や手術に積極的に取り組む急性期病院が画像診断管理加算2を届け出るハードルは高い。
我が国では、CT、MRIの配置がOECD諸国に比べて過剰であるとされてきた。実際、MRIは日本が人口100万人当たり47台で、OECD平均(13.3台)の約3.5倍、CTは日本が人口100万人当たり101台で、OECD平均(23.2台)の4.4倍となっている(2011年)。これには、医療機能の未分化や、医療計画で医療機器の配置規制がないことが関係しているが、急性期医療の提供と医師確保のために、病院が高性能なCTやMRIを競って導入する状況も変わっていない。高額診断機器の購入は自由競争だが、画像診断管理加算2の評価を高め、報酬に差を付けていくことは、医療機器の配置規制と同じ効果を持つ。医療費抑制の環境下で、画像診断管理加算2の持つ意義は大きく、今後さらに拡大していくことだろう。
次回配信は6月6日12:00を予定しています
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