この春の診療報酬改定で、紹介状を持たずに大病院の外来を受診した患者への定額負担制度が新たに導入された。初診については、200床以上の多くの病院が改定前から、選定療養費として一定額を徴収している。問題は、逆紹介後も受診の継続を希望する「再診」への対応だ。国は運用上の指針は示しているものの、最終判断は医療機関に委ねられており、現場では戸惑う声もある。関東の病院の現状を取材した。【敦賀陽平】
こうした大病院では、初診患者に占める紹介患者の割合(紹介率)と逆紹介率が一定の基準を下回ると、初診料や外来診療料が減額されるルールがある。地域の中小病院やクリニックとの役割分担を図ることが狙いだ。
だが、厚労省が昨年春に実施した調査では、特定機能病院(86施設)と500床以上の地域医療支援病院(164施設)のすべての病院で、紹介状を持たない初診患者から選定療養費を徴収していたものの、逆紹介後に受診を継続する再診の患者については、特定機能病院で17施設、地域医療支援病院で25施設にとどまった。
■「再診」の定義、医療者も誤解
新制度では、これまで任意だった選定療養費について、初診で5000円以上(歯科3000円以上)、再診で2500円以上(同1500円以上)を徴収することが義務付けられたが、新聞やテレビの報道では初診の金額ばかりが強調され、「再診」の意味を伝える大手メディアはなかった。
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