困難な病気と闘う患者の治療の選択肢を広げる―。こうした考え方に基づき、「保険外併用療養費制度」(併療制度)の第3の枠組みとして、「患者申出療養」が今年4月にスタートした。“混合診療”の費用負担が治療の妨げになり得るといった「規制改革会議」側の問題意識が発端にあるが、新制度により“混合診療”はどこまで受けやすくなるのだろうか-。【佐藤貴彦】
併療制度は、“混合診療”の保険診療に当たる部分に保険の適用を認めるもので、これまでも、治験や先進医療などの「評価療養」と、差額ベッドなどの「選定療養」の2種類があった。
新しい治療方法などは、安全性などに関する一定の基準をクリアすれば評価療養として実施できるが、規制改革会議は、併療制度の対象か否かで患者の費用負担に大きな差が生じるルールが、そもそも合理的でないと問題視。また、所得の多寡によって診療の選択肢に差を生じさせるとして、規制の見直しを求めた。
同会議は当初、保険外診療に関する情報を医師から十分に得た患者が、自ら選択することで、併療制度を活用して“混合診療”を受けられるようにすべきだと提言した。しかし、安全性が担保されないなどとして医療界が反発。最終的に、患者申出療養の仕組みを設けることで決着した。
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