無線LANのアクセスポイントの不適切な設定で、電子カルテや画像参照の端末が全て使用できなくなった―。医療機関内で起きた医用テレメータや無線LANなどのトラブルでは、電波干渉や電波が届かないといった「電波利用」に関することが少なくない。院内で電波を利用する際、どのようなことに気を付けたらいいのか。電波環境協議会が今月公表した手引きや報告書から、課題と対処方法を探った。【新井哉】
「24.4%の医療機関で、電波利用機器の利用に起因するトラブルが発生」。手引きでは、総務省が行ったアンケート調査結果を取り上げ、医療機関の規模が大きくなるとトラブルの経験率が高くなる傾向のあることや、重大な事故に至った例もあることを指摘している。
実際に医療機関で発生したトラブルの事例として、医用テレメータの受診不良で、使用していた患者の心電図の異常の発見が遅れたり、同一の無線チャンネルを2人の患者に使用したことから正しく表示されず、患者の急変に気付かなかったりしたケースがあったという。
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